現地コラム
COLUMN
西表島ので見られる多種多様な魚たち
目次
最後の秘境「西表島」
西表島は「最後の秘境」あるいは「東洋のガラパゴス」とも呼ばれることがあります。
そのわけは、西表島は手つかずの大自然が豊富にあり、そこで生息している特有な動植物を有するからです。
例えば、以下のような特徴をもった自然環境が西表島にはあります。
西表島は、島全体の約9割が亜熱帯の原生林に覆われているでしょう。
島内には大小40ほどの川がありますが、その大部分の河口付近にはマングローブが生育していて、国情緒が豊かです。
またイリオモテヤマネコをはじめ、国指定特別天然記念物を10あまり有する、学術的にも価値のある場所とされています。
このような自然環境や貴重な生き物が生息することから、島全体が西表石垣国立公園の一部として指定されているのです。
西表島で魚たちと泳ぐには?
西表島は、周囲が透明度の高い海に囲まれています。
この周囲の海には、さまざまな熱帯の魚が生息しているでしょう。
これらの魚たちの泳ぐ姿や生態を目の前で見ることができ、そして一緒に泳ぐことができるのも西表島の魅力の一つです。
西表島の海の特徴であるサンゴ礁、魚たちと一緒に泳ぐ方法や、どんな魚たちと出会うことができるのか、代表的な魚たちの種類などを順にご紹介していきます。
石垣島との間の海域のサンゴ
西表島と石垣島との間の海域には、日本最大のサンゴ礁域があります。
ここは、400種近くのサンゴが生息しているといわれていて、その多様性でも他のエリアを圧倒しているのです。
また、この海域は、西表石垣国立公園の一部に指定されています。
この魅力的な海を楽しむ方法として、次の3つがありますので、ひとつひとつご紹介していきましょう。
シュノーケリングツアー
まずはシュノーケリングツアーです。
シュノーケリングを楽しむためには、特別なライセンスなどは不要ですので、誰でも楽しむことができます。
必要な道具としては、マスク(水中メガネ)、シュノーケル(口にくわえて空気を通す役割の道具)、フィン(足ヒレ)があれば楽しむことができ、ツアーならこれらの道具もレンタルすることができるでしょう。
これらの道具を装着して、海面に浮かんで移動しながら、海中をみるというのが、最も手軽に西表島の海を楽しむ方法です。
手軽に楽しめるとはいえ、現地に精通したガイドさんに案内してもらい、危険を予め避けることができると安心。
このような目的のために、シュノーケリングツアーを提供している会社などが現地にはあります。
現地のポイントを熟知しているガイドさんに案内してもらい、安全にシュノーケリングツアーを楽しみましょう。
ダイビングツアー
熱帯の魚たちがたくさんいて、サンゴも多種類生息する西表島の海をじっくりと楽しみたいのであれば、ダイビングがおすすめ。
ダイビングでは、シュノーケリングで行くことができなかった、海中の深くにまで到達することができ、その分行動範囲も広がり、出会える魚たちの種類も増えるからです。
また、深さによって変化する海そのものの色彩も楽しむことができます。
ダイビングをするには、シュノーケリングと違って原則としてライセンスが必要です。
ライセンスはないけれど、ダイビングをしたいという方には、体験ダイビングという方法があります。
体験ダイビングは未経験の方を対象としたもので、一緒に潜るインストラクターの方が機材の操作や安全管理を行ってくれるものです。
そのため、海中を自由に移動することやあまり深くまで潜ることはできませんが、ダイビングの楽しさや面白さは十分に体験できます。
せっかくだからダイビングライセンスを取得したいと思う方は、ライセンスを取得できるプランもありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
3日間の講習(実技も含む)を受けて試験に合格すれば、ライセンスを取得することができます。
滞在日程に少し余裕が必要となりますが、ダイビングライセンスを取得するというのも、西表島での贅沢な過ごし方です。
個人で泳ぐ
最後にご紹介するのは、ツアーを利用せずに、個人で泳ぐという方法です。
ガイドさんの案内なしで、気の赴くままに泳ぐことができるのが一番の魅力といえます。
シュノーケリングに必要な道具は簡単に入手できますので、個人で泳ぐ際にも、先にご紹介したシュノーケリングの道具を用意しておくことをおすすめします。
透明度の高い美しい海を楽しむのであれば、マスクを使うと海中がクリアに見えますし、フィンを使うと海を移動するのも楽で速いからです。
個人で泳ぐ際には、くれぐれも安全に気を付けて、無理のないようにしましょう。
西表島で見られる魚
西表島で私たちがみることができるのは、どのような魚でしょうか。
代表的な魚をご紹介していきます。
カクレクマノミ
体は綺麗なオレンジ色の地色で、3本の太い白帯が特徴の魚です。
イソギンチャクの中にいる様子はテレビなどの映像で見たことがある方も多いのではないでしょうか。
体長は8㎝ほどのかわいらしい魚です。
ダイビングをすると出会える可能性が高い魚といえます。
ハマクマノミ
こちらも、イソギンチャクと一緒に生活するクマノミの1種です。
大きさは、カクレクマノミと同じ程度ですが、魚体は横長のカクレクマノミとは異なり、クマノミとよく似ていて、カクレクマノミよりも縦長。
色もクマノミに似ているため、しばしばクマノミと間違えられることがあります。
ルリスズメダイ
熱帯の浅いサンゴ礁域で最もよくみることができる、鮮やかな青色の魚です。
体長は6㎝程度で、飼育も容易なため、海水熱帯魚を飼育している水槽で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
ロクセンスズメダイ
体長15cmから20cmの大きさで、体に黒い縦縞が5本あることが特徴のスズメダイの仲間です。
比較的浅いところに生息していて、水深20m程度のところでよく見かける魚。
温帯から熱帯の海に分布していて、日本では静岡県よりも南の海に生息しています。
デバスズメダイ
この魚もスズメダイの仲間で、体長は8cm程度です。
体の色は緑がかった青色で、光の当たり方によって、その色が様々な青色に変化する美しい魚。
水深が浅め場所のサンゴ礁に群れで生息しています。
ツノダシ
成長すると目の両脇にとげが出てきて、それがツノのように見えることからツノダシと呼ばれるようになったとされています。
体は横よりも縦の方が長く、背中から長いとげが出ているのが特徴です。
サンゴ礁や岩礁に生息しています。
セナスジベラ
その名の通り、ベラの仲間です。
色彩が鮮やかで見た目に美しいベラ。
デバスズメダイと同じく、浅めのサンゴ礁で生息しています。
ムラサメモンガラ
サンゴ礁やその周辺の砂地や岩礁に生息しています。
体長は20cmほどで大きな魚ではありませんが、その性格は荒いので注意が必要です。
巣の近く、つまり彼らの縄張りに侵入しているとみなされると、攻撃をしてきます。
特に繁殖期(初夏から夏場)になるといっそう攻撃的に。
縄張りを侵さなければ攻撃してくることはありませんので、不用意に近づかなければ、攻撃されることはありません。
トゲチョウチョウウオ
沖縄の海ではよく見かける魚です。
体長は20cmほどで、尾に近い部分がオレンジ色をしています。
サンゴ礁周辺に生息して、雑食です。
このため、飼育や餌付けは比較的容易とされています。
フウライチョウチョウウオ
こちらも沖縄の海ではポピュラーな魚です。
サンゴ礁や岩礁で生息していますが、群れではなく単独またはペアで行動をします。
体長は20cmほどで、雑食のため飼育が容易な魚です。
西表島で見られる魚以外の海の生き物
西表島の海では魚以外にも様々な生き物が生息しているのですが、そのなかでも代表的な生き物として、ウミガメとマンタをご紹介していきます。
ウミガメ
アオウミガメ、アカウミガメ、タイライと、3種のウミガメが西表島周辺の海に生息しているでしょう。
現在、世界で生息しているウミガメは7種類ですので、西表島ではその半数近くの種類のウミガメを見ることができるのです。
マンタ
マンタはエイの仲間です。
エイの仲間としては、最も大きい種類とされています。
体が大きく、泳ぐ姿は雄大で、ダイバーにとても人気があります。
お腹に黒い斑紋があるため、見分けるのは簡単です。
西表島の危険な海の生き物
西表島の海を楽しむためには、危険な生き物をあらかじめ知っておくことが大切です。
またもし被害にあった場合も、その対処法を理解しておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
代表的な危険な生き物と、被害にあった場合の対処法をご紹介していきましょう。
ハブクラゲ
5月から10月にかけて、海の浅いところに出現するクラゲです。
触手に強い毒性があり、沖縄では最も被害が多い海の危険の生き物の1つとされています。
刺されると激しい痛みが生じますのですぐに対処しましょう。
被害にあった時の対処法
万が一刺されてしまった場合は、落ち着いて、まず海から上がってください。
刺された部分は絶対にこすらないようにしましょう。
そして、刺された部分にたっぷり酢をかけて触手を取り除いてください。
その後、冷水で刺された箇所を冷やし、医療機関で治療を受けましょう。
カツオノエボシ
カツオノエボシはクラゲの1種で、鮮やかな青色の浮き袋が特徴です。
触手に強い毒を持ち、刺されると電気ショックのような痛みを感じるといわれています。
被害にあった時の対処法
刺されてしまったら、慌てず落ち着いて、海からまず上がりましょう。
刺された箇所は絶対にこすらないでください。
海水をたっぷりかけて、触手を取り除き、冷水などで冷やし、医療機関で治療を受けてください。
ハナミノカサゴ
ミノカサゴの1種で、比較的大きく、体長は35cmほどあるものもいます。
背びれや胸びれが大きく、見た目は華やかで美しいですが、それぞれにとげがあり、刺されると激しい痛みが生じます。
被害にあった時の対処法
刺されたとげが残っている場合は、水でよく洗い流してください。
45℃以上のお湯につけると少し毒性が和らぎ、痛みが多少緩和されます。
とげで深い傷になることもあり、速やかに医療機関で治療を受けることが大切です。
オニダルマオコゼ
背びれに毒があるオコゼの1種ですが、オコゼの仲間の中で最も毒性が強いといわれています。
オニダルマオコゼは擬態して、岩場などに潜んでいることから、なかなか目で確認しづらいため厄介です。
被害にあった時の対処法
落ち着いて、まず海から上がってください。
刺された箇所をよく水で洗い流し、とげが残っていたら取り除きましょう。
カサゴ類に刺された時と同じように、45℃以上のお湯につけると毒性が和らぎ、痛みが多少緩和されます。
このような応急処置が終わったら、速やかに医療機関で治療を受けてください。
マダラウミヘビ
縞模様の見た目のウミヘビです。
手出しをしない限り、襲ってくることはないとされています。
最も確実に被害を避けるのは、近づかないことです。
被害にあった時の対処法
速やかに海から出て、噛まれた部分より上の心臓に近い箇所をしっかりと縛って、毒が体中に回らないようにします。
その後、噛まれた部分から毒を絞り出しましょう。
これらの応急措置をした後は、一刻も早く医療機関の治療を受けることが必要です。
オニヒトデ
サンゴ礁に生息している大型のヒトデです。
全身にとげがあり、とげには毒があります。
被害にあった時の対処法
速やかに海から上がり、目に見えるとげがあれば取り除いてください。
刺された部分を、45℃程度のお湯に付けると痛みが緩和させることができます。
できるだけ早く医療機関の治療を受けてください。
ヒョウモンダコ
10cmほどの小さなタコで、刺激を受けると体表にヒョウモンのような模様が浮き出てきます。
唾液に毒があり、噛まれると大変危険です。
自ら攻撃をしてくることはない、おとなしい性質とされていますが、危険を察知したり刺激を受けたりすると攻撃性が出てきます。
被害にあった時の対処法
噛まれた部分に流水しながら、毒を絞り出してください。
速やかに医療機関の治療を受けることが必要です。
安全に西表島の海を堪能するために
安全に西表島の海を堪能するためには、西表島の海についておおよその理解をしておくことは大切です。
それに加えて、以下でご紹介する方法や心構えなどをすることで、より安全に堪能できるようになります。
できるだけツアーに参加しよう!
安全に西表島の海を楽しむためには、ツアーに参加するのがおすすめです。
ツアーには、西表島の海を熟知したガイドさんやインストラクターさんが同行してくれますので、指示に従って行動すれば、一般的な危険は回避することができて安心でしょう。
また、万が一被害にあった場合にも、的確な対処をとってくれます。
むやみに海の生き物に触らない!
ツアーに参加したとしても、絶対に守りたいことは、生き物に触らないということです。
また、むやみに近づきすぎないということも忘れないようにしましょう。
対処法を頭に入れておこう!
いくら気をつけていても完全に被害を避けることは困難です。
そのため、被害にあった際の対処法は必ず頭に入れておきましょう。
そうすることで、慌てず冷静に対処できます。
まとめ
西表島は、手つかずの自が然豊かな環境で、独自に進化した生態系などもあり、最後の秘境と呼ばれることもあります。
透明度の高い海に囲まれており、マリンアクティビティに最適です。
このような西表島の海で魚と一緒に泳ぐ方法として、シュノーケリングツアー、ダイビングツアー、個人で泳ぐという方法があります。
海の中には危険な生き物もいますので、これらに注意して楽しむためには、できるだけツアーを利用することがおすすめです。