現地コラム

COLUMN

西表島ジャングルでヤシガニを見つけよう!

2021-01-13 03:22

世界遺産候補地の西表島

西表島は、有名なイリオモテヤマネコをはじめ、国の特別天然記念物を10あまり有していたり、固有種とされる動植物も生息したりしているとても貴重な場所です。
そのほかにも、何種類かの絶滅危惧種が西表島に生息しています。
島内に生育する植物のうち、亜熱帯の原生林が約9割といわれており、自然のままに近い状態での植物の環境が豊かです。
西表島はユーラシア大陸から分断された大陸島といわれています。
そのうえ、日本本土やユーラシア大陸と100万年も隔絶されて存在してきたという独特の地理的背景があるでしょう。
このため、他のエリアには見られない独自に進化したと考えられる自然環境や生態系がある生物多様性の島です。
このように、保護の対象とすべき動植物や独自の生態系を有し、学術的にも重要で価値があるエリアであり、日本最後の秘境あるいは東洋のガラパゴスとも呼ばれています。
これらの自然環境は、世界自然遺産としての価値を有していると評価されているでしょう。
そのため西表島を含むエリアは、世界遺産候補地としてユネスコの世界遺産センターに推薦書が提出されたことがあり、現在も登録へ向けての取り組みが行われています。

西表島で天然記念物ヤシガニを探そう!

ヤシガニ
西表島と聞けば、先にも触れた国指定特別記念物であるイリオモテヤマネコが有名です。
イリオモテヤマネコのような国指定特別記念物にはなっていなくても、西表島には希少生物が何種類か生息しています。
また、個体数が減少している絶滅危惧種に属する生き物もいるでしょう。
そこでここからは、絶滅危惧種とされているヤシガニに関する情報をまとめてご紹介していきます。
現在ヤシガニは、絶滅の危険が増大している種のカテゴリーである絶滅危惧Ⅱ類に分類されているのです。
乱獲によって個体数が減少しているとされるヤシガニですが、西表島ではその姿を見ることができます。
せっかく西表島を訪れたなら、ぜひヤシガニと出会いたいものです。
そこで以下では、ヤシガニに出会うためにはどのような方法があるかをみていきます。

ヤシガニってどんな生き物?

ヤシガニ
まずは、ヤシガニとはどんな生き物なのかを簡単に知っておきましょう。
ヤシガニは、名前からはカニの仲間のように思われますが、オオヤドカリの仲間です。
オオヤドカリはエビ目ですので、カニではなく、エビの系統に属します。
ヤシガニが生息しているのは、海ではなく陸上。
比較的海に近い海岸樹林が主な生息場所で、そこにある岩の割れ目や岩の下を巣としています。
陸上で生息する甲殻類としては最も体が大きいとされていることも。
大きいものでは体重が4kg以上あり、体長は40cmを超えるといわれています。
しかも脚やハサミを完全に広げると、1mを超える個体もいるという報告も。
なお、西表島で出会うのはこのような超大型のヤシガニではなく、比較的小さめのヤシガニです。
ハサミの力が強く、陸上生活する甲殻類では最強といわれることもあるそう。
もしヤシガニに出会っても、不用意に捕まえようとすれば、この強いハサミではさまれる危険性がありますので、手出しをしないことが大切です。

謎多きヤシガニの生態

ヤシガニ
ヤシガニは、夜行性であることも一つの理由ですが、十分にその生態が明らかとはなっていません。
まだまだ未知の部分の多い、謎多き生き物なのです。
昼間は海岸近くの森の中で、岩の割れ目や岩の下を巣にして隠れています。
名前からすると、ヤシの実を食べているという印象があるかもしれませんが、ヤシガニは雑食です。
食欲が旺盛で、食べられると判断したものはなんでも食べてしまいます。
このため、「オイハギガニ」という呼び名で呼ばれることもあるよう。
寿命は50年以上といわれています。
ヤシガニは卵によって繁殖しますが、その産卵場所は最近まで海だとされていました。
しかし2008年に、独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所石垣支所が、産卵しているヤシガニの姿を撮影することに成功し、陸上で産卵することが明らかとなりました。

ヤシガニは食べられる?

ヤシガニは食べることができます。
八重山地方では昔から食べられてきました。
個体数が少なくなっているヤシガニですが、その原因の一つは乱獲です。
乱獲された理由は、食べるためにあったのでしょう。
茹でて食べるということが多いようですが、その味は、非常においしいという意見がある一方で、珍しいからおいしく感じるという意見もあり、好みが分かれるのかもしれません。

ヤシガニに出会うには…

個体数が減っているといわれるヤシガニに出会うには、どうすれば良いでしょうか。
ヤシガニは夜行性ですので、昼間に偶然出会うことはなかなか難しいです。
巣としている岩の割れ目や岩の下を探し回るのも効率的ではありません。
そこで、最も確実にヤシガニに出会うことができる方法をご紹介いたします。

宿泊必須?夜がおすすめ!

夜行性のヤシガニに出会うには、夜が最も良いということがいえます。
昼間に出会うことも不可能ではありませんが、ひっそりと巣に潜んでいるヤシガニよりも、活発に活動しているヤシガニに出会う方が、ヤシガニの行動が観察できるため夜がお勧めです。
そうすると、宿泊が必須ということになります。
なぜなら、西表島への交通手段は石垣島発着の船ですが、この船の最終便は夕方だからです。
希少なヤシガニに出会うためには、西表島でのんびりと夜を過ごすことが必要です。

ヤシガニを見つけやすいシーズン

ヤシガニ
ヤシガニが多く目撃されているのは夏場の7月、8月です。
これは繁殖シーズンが5月から9月とされていることが影響しているかもしれません。
繁殖期は、普段よりも活発に活動することや行動範囲が広がりやすいといえるからです。
そうすると、ヤシガニを見つけやすいシーズンはちょうど夏休みシーズンに重なります。
夏休みに西表島を訪れるというのは、ヤシガニに出会うベストチョイスといえます。
この時期は、道路を歩いているヤシガニに出会うこともあるので、もし車で夜間移動する場合は、ヤシガニが歩いていないかよく注意して運転しましょう。
ゆったりとした気持ちでヤシガニが歩くのを見送るもの、西表島だからこそできる経験といえます。

ジャングルナイトツアーに参加しよう!

ヤシガニ
夜の夏場がヤシガニに出会う最も確率が高いことがわかりましたが、さらに出会う確率を高めるためにはジャングルナイトツアーに参加することをおすすめします。
ヤシガニの出現スポットを熟知したガイドさんに案内してもらい、ジャングルを探検すれば、かなりの確率でヤシガニに出会えることは間違いありません。
ジャングルナイトツアーに参加することで、夜のジャングルの様子やそこに現れる他の夜行性の生き物についても教えてもらうことができます。
また、ジャングルから見上げる美しい星空のお話も聞けるかもしれません。
せっかく宿泊して、ジャングルナイトツアーに参加するのですから、ジャングルの夜を存分に堪能しましょう。
夜のツアーですから、昼間と異なるアクシデントが起きることがあるかもしれませんし、予想できないトラブルが発生するかもしれません。
そんなときも、地元のことをよく知っているガイドさんがいれば安心です。
適切な対応で、うまくアクシデントを解決してくれることでしょう。

まとめ

西表島はその成り立ちや地理的は背景から、独自に形成された生態系を持った自然環境豊かな島です。
国指定特別天然危険物が生息しているなど、生物多様性の島でしょう。
このような貴重な自然環境のため、東洋のガラパゴスとも呼ばれているほど学術的にも重要な場所とされています。
このようなことから、世界遺産の候補地として推薦されたことがあり、現在もその手続きは進められているのです。
ヤシガニは、乱獲によって個体数が減少していて、絶滅危惧種のリストに入っていますが、西表島では、ヤシガニに出会うことができます。
ヤシガニに出会うために最もおすすめなのが、ジャングルナイトツアーです。
ジャングルナイトツアーでは、ヤシガニだけではなく、他の夜行性の生き物に出会うこともでき、西表島の夜を存分に堪能することができるでしょう。
ぜひ西表島で希少なヤシガニを見てみてはいかがでしょうか?