現地コラム
COLUMN
西表島の海でウミガメとシュノーケリング!
目次
西表島でウミガメと泳ごう!
西表島の周囲の海は透明度が高く、さまざまな熱帯の魚などをみることができます。
美しく広大なサンゴ礁も豊富にあり、西表島の海は訪れる人々を魅了しているのです。
このように見どころが満載の西表島の海ですが、海のアクティビティとしてぜひ体験していただきたいのが、ウミガメと泳ぐこと。
海を回遊するウミガメの様子を間近にみることや、ウミガメのペースに合わせて泳いだりすることは、他ではなかなかできないことだからです。
西表島もその一部である西表石垣国立公園は、ウミガメの産卵地として重要な場所とされています。
そもそも西表島ってどこにある?
ここでは、ウミガメと泳ぐことができる西表島はどこにあるのか、簡単にご紹介いたします。
西表島は、東京から約2,100km南西にあり、日本でもっとも南西にある島の一つです。
石垣島から西表島へは船で渡りますが、50分ほどで到着します。
沖縄県の八重山諸島に属する島ですが、比較的大きな島で、沖縄県では沖縄本島に次いで2番目の面積です。
西表島は世界遺産登録地
西表島は、西表石垣国立公園の一部です。
面積の9割ほどは亜熱帯の原生植物といわれていて、自然そのままの環境にとても近い状態にあるといえるのでしょう。
このような自然環境のもとで、有名なイリオモテヤマネコなど、西表島特有の生物も生息していて、学術的にも重要で非常に興味深い場所とされています。
また、生育する植物も、西表島固有のものもあり、これらと相まって、西表島は独自に進化した生態系を有しているとされているでしょう。
そのため、東洋のガラパゴスなどといわれることもあるのです。
長い年月をかけて形成されてきた西表島のこのような環境は、他の場所と際立った特徴を持っていて、大変貴重な場所と評価されているため、世界遺産登録地として認定されています。
西表島で見られるウミガメの種類
ここからは、西表島で、実際に出会うことができるウミガメの種類をご紹介していきます。
その前にまず、ウミガメ全体について簡単にみておきましょう。
ウミガメ類の生息地域は世界中の暖かい海です。
現在、全世界で生息しているウミガメの種類は7種。
その7種のうち、西表島で見ることができるウミガメは3種ですので、この3種のウミガメについて、その特徴などを説明していきます。
アオウミガメ
ウミガメの映像として、あるいは水族館で見かける多くはアオウミガメです。
その意味で、アオウミガメは最も馴染みのあるウミガメの種類といえるかもしれません。
アオウミガメは熱帯から温帯の海を回遊しています。
陸に上がって甲羅干しをする姿をみかけることもあり、これはアオウミガメの特徴の一つです。
アオウミガメの甲羅の色には、茶色がかったもの、黒みがかったもの、赤みがかったものなどいろいろな色があります。
このように、甲羅の色がさまざまな個体がいるのもアオウミガメの特徴です。
甲羅の色がさまざまであるのも関わらず、なぜ、アオウミガメと呼ばれているのでしょうか。
その理由は、アオウミガメの脂肪の色にあります。
アオウミガメの脂肪の色は「青い」(実際は緑色)ため、これが名前の由来なったのです。
その他の外見の特徴としては、甲羅の大きさ(体甲)に比べると頭が小さいことでしょう。
アオウミガメが、「あさひがめ」と呼ばれることがあるのは、なめらかで光沢がある甲羅に由来します。
甲羅の大きさ(甲長)は、成長したアオウミガメで80cmから100cmほどといわれているのです。
ウミガメのなかでは、唯一の草食性であるとされていますが、魚などを捕食しているところを見かけたという情報もあり、最近は少し変化があるもかもしれません。
アカウミガメ
産卵シーンでお馴染みなのがアカウミガメです。
また、体の色が赤味を帯びていることが、アカウミガメという名前の由来です。
アカウミガメは、アオウミガメに比べると頭が大きいのが特徴的でしょう。
これは、甲殻類や貝類などをアカウミガメが食料としているためとされています。
つまり固い甲殻類や貝類を、その殻も含めて丸ごと食べるために、強い顎が必要となり、それに応じて頭も大きくなっているのです。
正面からアカウミガメをみると、頭の大きさがよくわかり迫力がありますが、どこか愛嬌も感じられます。
アカウミガメは、アオウミガメに比べると少し小さな体です。
甲羅の大きさ(甲長)は、70cmから90cmほどといわれています。
タイマイ
タイマイは「べっこうがめ」とも呼ばれています。
甲や頭にある表皮を覆う鱗がべっこう細工の原料に使用されていたことから、このように呼ばれています。
アオウミガメやアカウミガメに比べて、鱗それぞれがはっきりとして加工しやすいため、べっこう細工の原料とされてきたのでしょう。
もっとも特徴的なのは、そのくちばしです。
くちばしがとがっているため、アオウミガメやアカウミガメとの違いは、その顔を見ればすぐにわかります。
亜熱帯の海でもっとも出会うことが多いウミガメは、タイマイといわれているでしょう。
日本では沖縄の海で主にみられ、産卵場所も主に沖縄です。
西表島でウミガメに会えるアクティビティ
3種のウミガメの特徴を簡単につかめたと思います。
「百聞は一見にしかず」というように、実際に見たほうが、その特徴や様子がよくわかります。
そこで、この3種のウミガメたちと実際に出会うためのアクティビティをご紹介していきましょう。
シュノーケリングツアー
まずご紹介するのは、シュノーケリングツアーです。
シュノーケリングは、ライセンスも不要で、もっとも手軽に楽しめる海のアクティビティの一つです。
西表島の周囲の海は、冒頭でもお伝えしたいように、透明度が高いため、海面に浮かんで海中をみることに適しています。
透明度が高いために、海の中に潜らなくても、深めの水深までみることができるからです。
太陽の光が海中に降り注ぎ、穏やかな明るさとなった海の中を、悠々と泳いでいるウミガメの姿や、サンゴ礁や岩間でくつろいでいる姿もみることができるかもしれません。
海面にウミガメが浮いてくることもあるので、運が良ければ、すぐ近くでお互いの顔を見合わせるというハプニングに出会うこともあるかもしれません。
ダイビングツアー
ダイビングツアーで海の中に潜れば、シュノーケリングよりも、ウミガメに近づくことができます。
近くでウミガメの動きを観察することや、距離を保ちながらペースを合わせて、海中を一緒に泳ぐこともできるでしょう。
ライセンスがなければ、ダイビングツアーに参加できないというわけでありませんので、安心してください。
体験ダイビングツアーに参加すれば、ダイビングが初めての方もインストラクターのサポートのもとでダイビングを楽しむことができます。
ダイビングに初チャレンジで、ウミガメに出会えるのというのは、とても素敵な体験となるのではないでしょうか。
ウミガメと泳ぐ時の注意点
ウミガメと泳ぐ時は、注意すべきことがいくつかあります。
ウミガメたちは、自分の生息域で、外敵などを警戒しながらも、安心して生息したいのです。
人のおうちにお邪魔する際のマナーのようなものですので、しっかりと守りましょう。
触ろうとしない!
自然環境で生息している生き物は、常に外敵や環境の変化と戦っています。
特に、接触されることは、生き物にとってとても脅威で恐怖を与えられる行為です。
ウミガメと泳いでいたら段々とその距離が縮まるということもあるかもしれませんが、絶対に触らないようにしてください。
適度な距離を保つのが互いにとって最も安心できる行動なのです。
海の危険生物に注意
毒を持っていたり、とげをもっていたりする生き物が海の中にはいます。
これらは「危険生物」と呼ばれていますが、むやみに攻撃などをしてくることはありません。
彼らが持っている「毒」や「とげ」は、自分自身の身を守るためのものです。
したがって、彼らに危険と思われる行動をしないことが大切。
具体的には、近づきすぎないこと、そして決して触らないということを守りましょう。
西表島の海で出会うことがある「危険生物」の具体例としては、オニダルマオコゼ、海ヘビ、ハブクラゲなどがあげられます。
ツアーに参加したら、ガイドさんやインストラクターさんの注意をよく聞いて、決して危険生物に近づいたり触ったりしないようにしましょう。
まとめ
西表島は、世界遺産の登録地となるほど、貴重な自然環境を有しています。
周囲の海は透明度が高く、マリンアクティビティに適しているでしょう。
そのなかでも、ぜひ体験してほしいことの一つが、ウミガメと泳ぐことです。
西表島では、3種のウミガメと出会うことができます。
その方法はシュノーケリングツアーまたはダイビングツアーがありますが、参加する際にはガイドさんやインストラクターさんの説明をよく聞いて、ウミガメの邪魔をしないようにしましょう。
また、危険生物には近づかない、触れないようにして、安全に西表島の海をウミガメと泳ぐという貴重な体験を楽しんでくださいね。