現地コラム

COLUMN

西表島の北方に浮かぶ”瑠璃の島”鳩間島で観光を楽しもう♪

2021-01-13 03:41

鳩間ブルーの海に囲まれた鳩間島観光!

鳩間島の海
南国の離島、鳩間島をご存知ですか?
国内屈指の人気観光地である沖縄県。
その中心である那覇市からさらに南西へ440kmほど進むと、特別天然記念物のイリオモテヤマネコが生息していることで有名な西表島があります。
今回ご紹介させていただく鳩間島が位置しているのは、その西表島から北へ5kmほどの地点です。
鳩間島最大の特徴は「鳩間ブルー」と称される青い海!
その美しさは2005年に放送された瑠璃の島というドラマのロケ地に利用されたほどで、ドラマのタイトル通り、まさしく瑠璃色の海に囲まれた島です。
沖縄の島々は河川が少なく、泥や土が河口を通して海へと流れ出ることがなく、さらには潮流などが原因となって海中のプランクトンが少ないため、水が濁らず澄んでいるのです。
加えて、沖縄の海にはサンゴが群生しており、サンゴは砕けた時に白く微細な石灰質の砂となって海底に堆積していきます。
澄んだ水は太陽の光を綺麗に通し、水底の白い砂が陽光を海面へと照り返します。
そのような条件が重なることによって沖縄の海の青さが生み出されており、国内でこの条件が整う土地は多くありません。
鳩間島は、沖縄の中でも屈指の青い海を味わうことができるのです。

八重山諸島最小の有人島

鳩間島
鳩間島の海が美しさを保てている理由は、鳩間島が非常に小さな島だという点にあります。
鳩間島は石垣島や西表島などと同じように、八重山諸島という島群に属しており、その中で最小の面積となっています。
その面積はなんと約1平方キロメートルで、外周は約4kmと徒歩でゆっくり回っても2時間はかからない程度。
住まわれている方もおよそ50人であり、面積、コミュニティの規模ともに非常にコンパクトな島です。
沖縄県にはさまざまな島があり観光地として人気を集めているところも少なくない中、鳩間島は観光地化していない島の1つです。
住民も、訪れる人の数もそれほど多くないという環境のおかげで、漁業や海水浴、大型船の行き来などによって海の環境が崩されるということがありません。
島内から島周辺の海に至るまで、古き良き沖縄の風情がしっかりと残されているというのが鳩間島最大の個性であり魅力なのです。

鳩間島への行き方

では、そんな鳩間島へはどうやって行けばいいのでしょうか。
鳩間島はまだ観光地化されていない島なため、各都市から飛行機で直行するということはできません。

石垣島から高速フェリーで

石垣島離島ターミナル
鳩間島へ向かう最もポピュラーなルートは、同じ八重山諸島に属する石垣島へと飛行機で行き、そこから高速フェリーへと乗り換えて向かうという手順です。
石垣島は沖縄の離島の中でも屈指の観光地であり、市街地の商業施設や高級リゾート施設が充実していることから人気を博しています。
そのため、全国から石垣島行きの便は多数出ており、ここまでの移動手段にはそれほど苦労せずに済むはずです。
石垣島に到着後、空港からバスで繋がっている石垣港離島ターミナルへと向かうと、そこから鳩間島に向けての高速フェリーが出ています。
令和2年現在は石垣島発の船は午前8時半と午後3時20分の2便出ていますので、旅のスケジュールに合った便を利用すると良いでしょう。
料金は大人片道2,090円、往復が3,970円となっています。

西表島からも行ける!

上原港
また、鳩間島へは同じ八重山諸島にあるもう一つの有名な島、西表島からも向かうことが可能です。
西表島に2つある港のうち北川の上原港というところから鳩間島への便が出ていますので、西表島の観光を兼ねたプランを組む場合はこちらを上手く利用することをおすすめします。

鳩間島での移動手段

旅行先で気掛かりなのは、その土地を巡るための移動手段ではないでしょうか。
せっかく目的地へと無事に辿り着けても足がないのでは、その土地の魅力を十分に堪能することができません。
レンタカー事情や公共交通機関の通り具合など、予め把握しておくことは旅行の鉄則だと言えるでしょう。
ですが、鳩間島の場合は通常の観光地とは事情が異なっています。

十分!?徒歩で観光

上で述べさせていただいたように鳩間島は周囲が4kmほどの小さな島。
外周をぐるりと一周歩いても2時間は要さないほどで、移動手段は徒歩だけで充分事足りるのです。

レンタサイクルで楽々観光

また、徒歩よりもっと効率よく回りたいという場合は港から数分の場所にレンタサイクルのお店があります。
1日500円で利用することができますので、必要に応じてレンタルを検討しましょう。
島の民宿でも自転車の貸し出しを行っている場合があるので、宿泊予定の宿に事前に問い合わせてみるのもいいかもしれませんね。
1つ注意点として、島内には道路が舗装されていない箇所が多い点には留意しなければなりません。
オフロードを走る形となるため、自転車にあまり乗り慣れていない方やお子様の運転は避けた方が無難だと言えます。

鳩間島の気候

ハイビスカス
沖縄本島よりも遥か南西に位置する鳩間島は、年間を通して非常に温暖な気候をしています。
本土とは異なる亜熱帯海洋性気候に分類されており、夏はもちろん12月や1月でも最高気温が20℃を越える日ばかりです。
真冬にあたる時期でも半袖で過ごすことができてしまいます。
海に囲まれた島ですので、風に吹かれて肌寒さを感じることはありますが、薄手の羽織りを1枚持参して適宜体温調整をするだけで十分快適に過ごすことができるでしょう。
天候に関しては、本土よりも早い時期に梅雨が訪れるという点に注意が必要です。
例年5月の中旬頃までには梅雨が始まり、6月中には梅雨が明けるため、目安として覚えておきましょう。
また、座標上、鳩間島は台風の進行ルートに含まれやすいという特徴があるため、その点にも留意しておかなければなりません。
鳩間島を訪れるなら、やはり青空の下に広がる鳩間ブルーの海を味わいたいところ。
観光に行く際は事前にしっかりと予報をチェックしておくことをおすすめします。

鳩間島でのおすすめアクティビティ

鳩間島の概要を把握し終えたところで、次は島の楽しみ方を見ていきましょう。
南国観光を語る上で、水辺でのアクティビティは絶対に外せませんよね。
鳩間島の青い海を全身で堪能できる遊びをご紹介していきます!

鳩間島シュノーケリング

ウォーターアクティビティの大定番と言えば、シュノーケルや水中メガネを着けて海に潜るシュノーケリング。
ライセンス取得の必要がなく、老若男女を問わず気軽に海中遊泳を楽しめる人気のアクティビティですが、鳩間島においては季節を問わず楽しむことができます。
気候が温暖なため冬であっても海の中の温度は常時20℃以上をキープしており、ウェットスーツも着込んでしまえば寒さを感じることはありません。
水中メガネで目が覆われているため海水が目に染みるようなこともなく、極めて透明度の高い鳩間島の海を見通すと、まるで天然の水族館のような絶景を味わうことができるでしょう。

鳩間島ダイビング

シュノーケリングと並んで高い人気を誇る、より本格志向のアクティビティがダイビングです。
海に潜るという点ではシュノーケリングと共通ですが、ダイビングは背中に空気タンクを背負い、その空気を取り込むための各種装備を着けて行います。
シュノーケルは口元の筒越しに海面から呼吸をするのですが、ダイビングはタンク内の空気が減るまでの30~40分ほど海中で呼吸し続けることが可能となります。
息継ぎのために海面へ戻る必要がないことから、鳩間島一帯の海域を覆ったサンゴ礁と、悠々と熱帯魚たちが泳ぎ回る南国ならではの海に思う存分身を漂わせることができるのです。
ライセンス取得などシュノーケルに比べると少しハードルの高いアクティビティではありますが、それに見合うだけの感動を味わえるでしょう。
シュノーケル、ダイビングともに現地で用品を一式レンタルすることができるので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

鳩間島おすすめ観光スポット

鳩間島の楽しみはアクティビティだけではありません。
観光地化されていないことが特徴の鳩間島ですが、そのおかげで観光地として整備された土地とはまた異なる、沖縄元来の趣を残した素晴らしいスポットがいくつも残されているのです。
ぜひ訪れておきたい観光スポットの数々をご紹介させていただきます!

夫婦岩

夫婦岩
鳩間島内の北西部、島内を一周する道路の途中にこのスポットは位置しています。
夫婦岩と呼ばれるスポットは全国に点在しており、その多くが大小の岩が寄り添って並んでいて夫婦のように見えるという由来をしていますが、鳩間島のものはそれとは少し異なります。
岩の周囲に沖縄ならではの木であるガジュマルが絡んだ様子になっていて、南国風情と自然の力強さを目の当たりにできるスポットなのです。
夫婦岩という名前はかつてこの付近にとても仲の良い夫婦が住んでいたという故事から来ているそうなので、夫婦やカップルで旅行をする際に訪れるスポットとしても適しているかもしれませんね。

前の浜

鳩間港や集落まで徒歩3分ほどでとても近く、最も手軽に訪れることができるビーチが前の浜です。
このビーチに面した海は防波堤に囲まれており、おかげで押し寄せる波が非常に穏やかです。
水深も浅めとなっており、お子様連れの観光の際に訪れるのであればここが一番安心できる浜辺となっています。
鳩間島は基本的に徒歩で移動するため、海で遊び疲れてぐったりとしたお子様を宿まで連れて帰るのも一苦労。
気軽に訪れられることはもちろん、帰路で近さのありがたさを実感できることでしょう。
もちろん安全性だけでなく水の透明度も高く、鳩間ブルーの海が存分に味わっていただけるおすすめスポットです。

鳩間島灯台

鳩間島灯台
鳩間島に訪れた際には、全景を一望してみたいですよね。
そんな願望に応えてくれるのが、島で最も高い位置にある鳩間島灯台です。
鳩間島は中心部に掛けて盛り上がったような地形となっており、島中央にある高い丘がこのスポットとなっています。
南国の青空によく映える白い灯台があり、近くの物見台を登ると島の全域を見渡せる絶景を目にすることができます。
鳩間島だけでなく海越しに近隣の西表島や小浜島を眺めることもでき、写真が趣味であればきっと良い写真が撮れることでしょう。
港から徒歩で15分かからない距離であるため、気軽に足を運ぶことができるスポットです。

立原浜(たちばるはま)

立原浜
鳩間島に点在するビーチの中で、最も穴場スポット的な雰囲気を醸し出しているのが立原浜です。
島内北西、夫婦岩の近くにある浜であり、草むらの間の細い道を通り抜けていくと辿り着ける場所となっています。
広い浜辺ではないため泳いだりアクティビティをするのには向いていませんが、爽やかな潮風を浴びながら心地よい静けさを感じることができるでしょう。

島仲浜

島仲浜
島を巡る道路のうち、北側へと向かう道のゴール地点にあるのが島仲浜です。
終着点から力強く生い茂った千手ガジュマルと呼ばれる木々の近くの小道を下っていくと、美しく白い砂浜が姿を見せてくれます。
まるで海外セレブが訪れるプライベートビーチのような雰囲気の浜辺であり、シュノーケリングなどを楽しむスポットとしても非常に人気が高いことが特徴です。
また、沖縄のお土産の定番として瓶詰めで売られている星の砂をご存知でしょうか。
まるで星のように見える可愛くも美しい星の砂は、商品として売られているものの多くの割合を鳩間産が占めています。
そんな鳩間島の中でも最も多く星の砂を含有しているとされる浜辺がこの島仲浜。
訪れた際は、砂を手に取って星の砂が混ざっているか確かめてみるのもいいかもしれませんね。

鳩間島観光の注意点

最後に、鳩間島を観光する際の注意点をいくつか説明させていただきます。
せっかくの旅行ですから、しっかりと対策を講じて不安なく楽しみましょう。

急なスコールに注意!

亜熱帯海洋性気候である鳩間島は、雨の降り方が本土とは異なります。
激しく降って短時間で止むスコールのような雨が基本となっており、雨に打たれて風邪を引いてしまったというような不測の事態を避けるためには天候の変化に敏感でなくてはなりません。
旅の荷物に余裕があれば、携帯しやすい折り畳み傘を人数分忍ばせておくといざという時に便利です。

焼きつくような日差しに注意!

南国観光のハイシーズンである夏場に鳩間島を訪れるのであれば、強烈な日光に警戒しておく必要があります。
油断しているとすぐに日焼けしてしまうため、肌に合う日焼け止めを持ち込んでこまめに塗ることで予防していきましょう。
夏場以外の時期も本土に比べればやはり日差しが強めなため、備えはしっかりとしておくと良いでしょう。

個人で泳ぐのは危険!

鳩間島にはたくさんのビーチがありますが、観光地ではないため監視員が常駐していません。
海で泳ぐ際は足がつる、突然の体調不良など、泳ぎが得意な方であっても突然のトラブルがつきもの。
海難事故を避けるためにも、個人で不用意に遊泳するのはやめておきましょう。

フェリーの時間に注意!

来る際と同様に、鳩間島から石垣島へと戻るフェリーは時間が限られています。
せっかくチケットを取っていた帰りの飛行機に間に合わなくなってしまったというようなことがあってはいけませんので、乗る便の時間は船、飛行機ともにしっかりと確かめるようにしておきましょう。

まとめ

沖縄の離島の中では少し知名度が低めの鳩間島をご案内させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
観光地化していない鳩間島には、現代社会と切り離されたかのようなゆったりした時間が流れています。
南国旅行で身と心をゆったり休めたいとお考えであれば、鳩間島がおすすめです。