現地コラム
COLUMN
西表島水難事故の実情とは?シュノーケリングを安全に楽しむ方法をご紹介!
目次
西表島の海を安全に
シュノーケリングを
楽しむためには
西表島といえばみなさま思い浮かべるのがやはり海だと思います。
西表島在住スタッフとしても西表島に訪れられた際は、ぜひシュノーケリングを体験していただきたいと思っております。
しかしその反面、西表島では年々水難事故が増えてしまっております。
せっかくの旅行中に事故が起きてしまっては思い出も全て台無しとなってしまいます。
事故を起こさないためにはどうしたらいいのか、事故を未然に防ぐためにできることを今回の記事でご紹介しますので、ご自身のためにも、周りの安全を守るためにもぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。
西表島の海でおこった
水難事故の実例
まずは西表島のシュノーケリング中におこった実際の事故の事例をいくつか紹介していきます。
例①
2022年6月27日午後2時18分、沖縄県竹富町西表島北のバラス島付近で「ダイビング中に溺れた人がいて意識不明、船上に引き上げられた」などとダイビング船の乗客から118番通報。
石垣海上保安部によるとダイビングツアーに参加した60代女性で、心肺蘇生を受けて西表島の診療所に搬送されたが、同3時28分に死亡が確認された。
例②
2022年9月8日午前10時35分ごろ、沖縄県竹富町西表島の大見謝川で、「夫が川に転落し、姿が見えない」と女性から110番通報。
八重山署によると、約1時間後に川底深さ約3メートルで沈んでいる東京都の自営業の男性(50)が発見されたが、午後0時37分に搬送先の診療所で死亡が確認された。
水難事故件数と
死亡者数の推移
こちらのグラフは沖縄県の年間の水難事故件数と死亡者の推移を表したもので、
見ていただけたらわかるように年々水難事故は増え続けています。
増加の背景について、水難事故防止に関する請願を県に出した沖縄ライフセービング協会は「事故が多く発生している場所は常駐の監視員がいない自然海岸が多いのが特徴だ」と説明しております。
そして緊急事態宣言中、監視員が常駐する管理型のビーチが閉鎖され、自然海岸に人が流れた傾向があったのが大きな原因ではないかと考えられています。
なぜ水難事故は
起きてしまうのか
こちらのグラフは海上保安庁が発表した、水難事故を原因別に表したグラフです。
海に対する知識不足
水難事故の原因の大半を占めるのが海に対する知識不足です。
沖縄特有の流れや、その日の風向きや地形など、海は数多くの影響を受けます。
毎日変わる海のコンディションを何も把握していないままの個人的なプライベートは非常に危険です。
実際に気づいたら海に流されて遭難してしまったり、流れに飲まれてそのまま流されたり、海では何が起こるか分かりません。
プライベートでシュノーケリングするなら特に海の知識は非常に大切です。
装備不良
こちらも水難事故につながる大きな要因です。
シュノーケリング事故で多い装備不良に関しては、ライフジャケットなどの浮力体の未着用です。
沖縄県の海上保安庁によると事故者の64%は救命胴衣(ライフジャケット)未着用だと発表しております。
また、装備不良とは身につけていたとしても、正しい着用方法でないとその効果は半減してしまいます。
シュノーケリング機材
マスク+シュノーケル
マスクとシュノーケルに関してはシュノーケリングにおいて非常に重要な役割を果たします。
まず着用前にチェックするべき点は、マスクに割れやヒビなどがないか、シュノーケルが壊れていないか(水が入ってこないか)です。
マスク+シュノーケルの正しい使い方
まずマスクをつけるときは前髪をあげ、マスクをつけた時に前髪が入らないようにします。(前髪が入ってしまうとマスクが非常に曇りやすくなります)
シュノーケルの咥え方は「あ」「い」「う」の3工程です。
①まず「あ」で大きく口を開けます
②次に「い」でシュノーケルのマウスピースになっている部分を歯で噛みます。
③最後に「う」でシュノーケルのマウスピースの外側を唇で包み込みます
これで準備は完了ですが、すぐに泳ぎ出す前に一度顔を水につけ、マスクに水が入ってこないか、きちんと呼吸ができるかを確認してから海に出るようにしましょう。
もし途中でマスクとシュノーケルに問題が起こった時のために予備でもう1つ持っていくことをおすすめします。
ライフジャケット
ライフジャケット着用の有無によって、事故発生時や身体異常時の生存率が大幅に変わります。
上記グラフは海上保安庁が発表した、海中転落者のライフジャケット着用、非着用の生存率です。
このようにライフジャケットは非常に大事な装備品なのです。
ライフジャケットの正しい使い方
しかしライフジャケットに関しても着用方法を間違えると効果が半減してしまいます。
ライフジャケットの正しい着用方法は、まず自分の体に合ったサイズのライフジャケットを着用するようにしましょう。
そしてライフジャケット着用後、全てのベルトを締め、しっかりと体に密着させるようにしましょう。
これができていないと、シュノーケリング中ライフジャケットだけ上に浮いてきたり、脱げてしまったりする可能性があります。
フィン
フィン(足ひれ)を装備することで、自分自身の足で泳ぐよりも推進力が増え、楽にシュノーケリングを楽しむことができます。
フィンの正しい使い方
フィンに関しては、フルフットフィン(裸足で履くタイプ)とストラップフィン(靴ごと履くタイプ)の2種類があります。
初心者の方は、フィンを履くと思うように歩けずにこけてしまったりすることがあり、危険なため比較的着脱が簡単なストラップタイプをおすすめします。
水難事故を起こさないために
水難事故は事前に準備をして知識をつけておくことで未然に防ぐことができるのです。
海のことを知る
海は毎日が同じコンディションとは限りません。晴れていても、流れが強かったり風が強かったりするので迂闊に海に入るのは危険です。
事前に情報を集め、その日は安全なのか天気だけでなく海況にも注意してください。
潮の流れ(満潮・干潮)
海には1日の中に満潮と干潮が存在します。都会に住んでいるとあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、西表島では非常に重要です。
満潮と干潮では差が大きい日だと150cm水深が変わります。
また、干潮だとサンゴが干上がりビーチに出たけど帰ってこれなくなってしまったりするので、干潮と満潮の時間は何時くらいなのか把握しておく必要があります。
リーフカレント(離岸流)
そして沖縄の海で1番怖いのがリーフカレントと呼ばれる、サンゴが豊富な地帯ならではの流れです。
リーフカレントとは、岸から沖に向かう逆流のことです。
波は基本的に沖から海岸へ打ち寄せるものですが、ある地点でまとまって逆流します。これをリーフカレントと呼びます。
沖縄では、サンゴ礁の切れ目から海水が沖へ流れ出すリーフカレントが発生しやすいため非常に注意が必要です。
連絡手段の確保
海で遊ぶ上で連絡手段の確保は非常に大切です。
過去に、連絡手段がなくて処置が遅れ助からなかったという事例もあります。
このように連絡手段を確保しておくことは自分のためにも、周りのためにも大切なのです。
また、余裕があれば同行者の緊急連絡先なども聞いておくとより良いでしょう。
海の危険生物
海の中には非常に多くの危険生物が生息しております。
毒を持っている生物を触ってしまうと、手がかぶれてしまったり、噛まれてしまったりすると最悪の場合、死に至ることもあるほどです。
全ては覚えなくとも、毒性の強い危険生物だけでも覚えておくことをおすすめします。
下記生物以外にも危険生物は数多く存在しますので、海の中では生き物に触れたり不用意に近づきすぎたりしないようにしましょう。
ウミヘビ
ウミヘビはとてもおとなしく人を攻撃することはほとんどありません。
しかし、誤って踏まれたり掴まれたりすると噛まれることがあるので不用意に近づかないようにしましょう。
噛まれても痛みは少ないですが、神経性の毒を持ち、30分前後で呼吸困難や血圧降下、全身麻痺になる危険性があります。
その毒性の強さはハブの50倍とも言われています。
海中で咬まれてそのまま放っておくと、次第に痺れて身動きが取れなくなる恐れがあります。
【応急処置】
もし噛まれた際は早急に海から上がり、医療機関へ連絡してください。
ハブクラゲ
ハブクラゲは、かさが半透明のため水中で見えにくく、刺されてはじめて気付く場合が多いです。
6月~9月にかけて多く発生し、20~30cmと浅い砂浜でも刺症事故が発生しています。
ハブクラゲの触手には、刺胞と呼ばれる毒の針の入ったカプセルがたくさんあり、刺激を受けると毒針が飛び出すしくみになっており、
刺されると激痛を生じ、みみずばれのような跡になるのが特徴です。
沖縄ではこれまでに3件の死亡事例が報告されているほどの毒を持っています。
【応急処置】(食酢)
もしハブクラゲに刺されたら、食酢をかけ、触手を洗い流して医療機関へ行きましょう。
カツオノエボシ
カツオノエボシは、青白い浮き袋をもち、そこから青く長い触手が伸びているのが特徴です。
見た目は非常に綺麗なクラゲの仲間です。
浮き袋で風を受けて移動するため、強い風で海水浴場に運ばれ、被害が発生することがあり、
刺されると電気が走ったような強い痛みを感じるため、「デンキクラゲ」とも呼ばれています。
日本では死亡事例の報告はありませんが、海外では数件報告されています。
【応急処置】(お湯)
もし刺された際は、食酢やアルコールなどは絶対にかけず、お湯で綺麗に洗い流して、医療機関へ行きましょう。
ミノカサゴ
ミノカサゴは、とても美しく、動きはゆっくりで、近づいてもあまり逃げないのが特徴です。
しかし、驚くと、背びれをたてて威嚇してきます。
背びれ、腹びれ、尻びれに毒があり、刺されると大変痛むので注意が必要です。
【応急処置】(お湯)
もし刺された場合は、お湯で綺麗に洗い流し、医療機関へ行きましょう。
安全にシュノーケリングを
楽しむために
ツアーに参加する
安全シュノーケリングを楽しむにはやはりツアーに参加するのが1番です。
ツアーガイドは基本的に水難救助の有資格者がほとんどだと思いますので、安心して参加できます。
また、必要機材に関しても貸し出しを行っている業者も数多くありますので是非参加することをおすすめします。
遊泳区域内で楽しむ
そしてシュノーケリングを安全に行うため、遊泳区域内で行うというのも有効な手段です。
遊泳区域内の遊泳可能時間であれば監視員が駐在しております。
また、他にも遊泳されている方も数多くいるため人の目が多く安心です。
1人でのシュノーケリングはNG
シュノーケリングをする際、1人で行うのは非常に危険です。
万が一何かあった際1人では対応し切ることができず、生存率も下がってしまいます。
もしプライベートで行う際は最低でも2人以上で行いましょう。
無理はしない
体調不良や、睡眠不足、疲労状態などの場合は、無理をして海に入らないようにしましょう。
またお酒などを飲んだ際も絶対に入らないでください。
自分自身の体の状態を把握し判断することが大切です。
シュノーケリング中でも少しでも体調に不安が出てきた際はすぐに海から上がるようにしましょう。
PiPiのツアーは安全第一!
ADVENTURE PiPiでは「安全あっての楽しい思い出。」という考え方を大事にしたおります。
どれだけ楽しくても、誰かが怪我をしてしまっては楽しい思い出として残すことはできません。
ADVENTURE PiPiでは入念なフィールドチェックをはじめ独自の安全基準を採用し、かつ決して無理をしないツアー運びを徹底しております。
ガイド全員が
水難救助員の資格保有済み
ADVENTURE PiPiではガイド全員が水難救助員の資格を保有しているほか、
定期的にJTST(Japan Tourguide Safety Training)安全講習への参加もしております。
ガイドも含め
ライフジャケット着用の徹底
ADVENTURE PiPiでのツアーではガイドを含め、全員がライフジャケットの着用を徹底しております。
また、ガイド1人につき最低でも1本のレスキューチューブを持参しております。
PiPi独自の高い安全基準
そして独自の高い安全基準を採用し、毎朝ツアー前に催行可能かどうかのフィールドチェックを行なっております。
またガイド1人1人が判断基準を持っており、少しでも危なくなれば無理せずツアーの中断も行うように教育しております。
おすすめ
シュノーケリングツアー
バラス島シュノーケリング
西表島の美しく透き通った海を全身で感じるシュノーケリング体験プランです。
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西表島の美しい海でウミガメと一緒に泳ぎましょう。
まとめ
今回は安全にシュノーケリングするために必要なことについて書きましたがいかがだったでしょうか。
せっかくの楽しい旅行が台無しになってしまってはもったいないですよね。
注意していても不慮の事故は起きてしまうことがありますが、最低限の注意を払っておくとほとんどは事前に防げるかと思います。
みなさまも是非旅行に来られた際は事故なく楽しい思い出にしてください!