現地コラム
COLUMN
西表島のカラフルサンゴに囲まれてリアル竜宮城体験
目次
西表島で無数のサンゴ礁を見よう!
世界に生息するサンゴは、約800種類ほどといわれています。
その中で、沖縄県周辺の海に生息するサンゴは約350種類あります。
そうすると、半分近くの種類のサンゴが沖縄県周辺の海に生息しているといえるのです。
ちなみに、有名なグレートバリアリーフで生息しているサンゴは、約300種類といわれています。
このように、沖縄周辺の海は、世界的にみても多くの種類のサンゴが生息しているエリアということができるでしょう。
西表島は沖縄県の島で、周囲を海に囲まれ、豊かな海洋環境を有しています。
その海には、サンゴ礁が豊富に存在しています。
例えば、石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれる、石垣島と西表島の間にあるサンゴ礁の海域は、日本最大規模のサンゴ礁域です。
ここは、西表石垣国立公園の一部として指定されています。
そのほかにも、いくつものサンゴ礁が西表島の周囲の海にはあり、西表島を訪れるダイバーをはじめ、マリンアクティビティを楽しむ人たちを魅了しているのです。
西表島ってどこにある?
東京からは約2,100km南西に移動したところにあり、日本の最も南西ともいえる場所に西表島は位置しています。
地理的には北緯24度に位置し、台湾の台中市と同じ程度の緯度のところにあります。
沖縄本島の那覇市とは約430kmの距離がありますが、台湾の東側までは約200kmの距離なので、台湾にとても近いのです。
西表島で見られるサンゴの実態
ここからは、西表島で見られるサンゴの実態についてご紹介していきます。
サンゴとサンゴ礁は似たような言葉ですが、これは同じものを指しているのでしょうか、あるいは別のものを指しているのでしょうか。
サンゴには、サンゴ礁を作るサンゴと、そうではないサンゴの2種類があるのです。
サンゴ礁を作るサンゴは「造礁(ぞうしょう)サンゴ」といい、造礁サンゴは硬い骨を持っており、群れで生息します。
また、サンゴ礁を作らないサンゴは「非造礁(ひぞうしょう)サンゴ」といい、単体で生息するのです。
サンゴ礁は、サンゴという生き物のうち、サンゴ礁を作る造礁サンゴの骨によって作られた地形のことを指しています。また、造礁サンゴの固い骨は、サンゴが死んでも生き残るでしょう。
この骨のうえに新しいサンゴが付着して成長し、新しく付着したサンゴもやがて死に、そのサンゴが残した骨のうえに、次の新しいサンゴが付着して成長し、ということが繰り返されるのです。
この繰り返しによって、どんどん上に積み重なっていき、サンゴ礁が大きくなっていきます。
長い年月の間、たくさんのサンゴの生死の繰り返しの結果によって、サンゴ礁という地形が作り出されているのです。
西表島のサンゴ礁は、多種多様な海の生き物にとってとても重要な場所になっています。
例えば、魚の産卵場所、幼魚が外敵から身を守り成長するための隠れ家など、西表島の海中生態系を支えているといえるのです。
西表島で暮らす人々にとって、サンゴ礁は大切な役割を果たしてきました。
サンゴ礁の周辺に生息している魚など、島の食生活を支える重要な場所です。
また、サンゴ礁の美しい光景は、西表島で暮らす人々だけではなく、世界中のダイバーをも魅了し、安らぎを与える場所でもあります。
地球温暖化によるサンゴの白化現象
このような多様な役割を果たしているサンゴ礁ですが、近年「白化現象」が進んでいるとされ、サンゴ礁の形成やサンゴの成長などに関して、危惧されています。
白化現象とは、サンゴと共生関係にある褐虫藻(かっちゅうそう)が、サンゴから抜け出し、その結果、サンゴの骨格が透けて白く見える現象のことです。
白化が進行すると、サンゴは死んでしまうのです。
このような現象が広範囲に広がり、進行するとサンゴ礁の生態系に大きな影響を与え、崩壊してしまうといわれています。白化現象の原因の一つとして考えられているのは、海水温度の上昇です。
地球全体の温暖化が進行し、海水温度も上昇しているといわれ、これがサンゴの白化現象をもたらしているといわれています。白化現象の仕組み自体は、完全に解明されているわけではありません。
有力な考え方としては、次のようなものがあります。
海水温度の上昇によってサンゴの中に生育している褐虫藻が弱り、この弱った褐虫藻を排出するサンゴの能力が追いつかず、健全な褐虫藻がサンゴの体内から減少してしまうことで、密度が低下するため、サンゴの骨格が透けて白く見えるようになるというものです。
いずれにしても、地球温暖化という大きな環境の変化がサンゴにも大きな影響を与えているでしょう。
多くのサンゴに白化現象が見られるものの、白化したサンゴのうち死んでしまったものの比率は、近年ではわずかになってきているという、安心できる調査結果などもあります。
西表島でサンゴ礁が見られるアクティビティ
西表島を訪れたなら、これらの貴重なサンゴ礁を実際に見ることをおすすめします。
ここでは、実際にサンゴ礁を見ることができるアクティビティをご紹介しましょう。
西表島シュノーケリング
マリンアクティビティの中でも、手軽に楽しめるのがシュノーケリングです。
西表島の海は透明度が高いため、シュノーケリングに最適。
サンゴ礁は比較的浅いところにあることが多いため、シュノーケリングでその雄大な姿や色彩の豊かさを観察することができます。
太陽の光が届きやすい水深の浅いところで、色鮮やかなサンゴが太陽の光に照らされ輝いている様子をクリアに見ることができるのは、西表島でのシュノーケリングの醍醐味かもしれません。
西表島ダイビング
西表島のサンゴ礁のうち、石西礁湖のサンゴ礁は比較的水深の深いところにあります。
このサンゴ礁をじっくり見るためには、海中深くに潜ることができるダイビングがおすすめ。
日本最大規模のサンゴ礁域を間近で見て、その迫力と美しさをぜひ体験してください。
サンゴでできた島「バラス島」
サンゴのかけらのことをバラスといいます。
バラス島はその名の通り、サンゴのかけらのみでできた島です。
この島の周辺にはサンゴ礁が多く、これらのかけらが堆積してできたとされています。
バラス島は、奇跡の島の別名を持っているでしょう。
それは、潮位によって姿を現したり、消えてしまったりするからです。
そのため、地図には存在しない島なのです。
バラス島へはツアーで行こう!
バラス島は、西表島と鳩間島との間にあります。
西表島の上原港から船で行くツアーに参加することをおすすめします。
バラス島に上陸できるタイミングをよく知っているガイドさんとともに訪れるのが、奇跡の島=バラス島を堪能するには最も良い方法だからです。
バラス島の周辺の海では、ウミガメと遭遇する確率が高いといわれています。
ツアーなら、ウミガメとの遭遇率がもっと上がるかもしれません。
西表島のサンゴ礁をいつまでも楽しむために
地球温暖化の影響などで、その生態系に大きな影響を受けている西表島のサンゴ礁は、世界的にも貴重な存在です。
そのため、できるだけサンゴ礁に負荷を与えないようにすることが大切。
私たちに安らぎと豊かさをもたらしてくれているサンゴ礁と末長く共存していくために必要なことは、実は簡単なことです。
むやみに触らない・踏まない
あまりの美しさや雄大さに、思わず触れてみたくなることがあるかもしれません。
ですが、サンゴも生き物ですので、無闇に触ったり、あるいは踏んでしまったりすることがないように注意しましょう。
外的な刺激は、サンゴにストレスを与えることになりますし、強い力を加えられることで、サンゴが死んでしまうこともあるためです。
ゴミは必ず持ち帰る
海の環境についても配慮しましょう。
ゴミを必ず持って帰るという意識を持つだけでも、海の環境にダメージを与えることはなくなります。
まとめ
西表島の周囲の海は、サンゴ礁が豊富にあります。
生息するサンゴの種類も世界有数です。
さらに、石垣島と西表島の間にある石西礁湖は日本最大のサンゴ礁域。
また、サンゴのかけらだけでできた島、バラス島も西表島から行くことができます。
西表島は、サンゴ礁を満喫するために最も適した場所です。
サンゴ礁やこれを取り巻く環境を安全に堪能するためには、ツアーに参加するのがおすすめでしょう。
近年は、地球温暖化などの影響もあり、サンゴの生態系に変化が生じています。
観光で訪れた際は、ゴミの持ち帰りを心がけるなど、末長くサンゴ礁を楽しむことができるようにしましょう。