現地コラム
COLUMN
八重山諸島の離島10選
目次
八重山諸島とは
みなさんこんにちは!
八重山諸島にはどんなイメージがありますか?
テレビの旅番組で見たことはある、けどよく覚えていない、という方も多いのではないでしょうか。
石垣島や西表島は、よく聞くのではないでしょう。
どちらも八重山諸島にあります。
これらの島に代表されるように、八重山諸島にはとても自然豊かな島ばかりです。
石垣島や西表島以外にも、特色ある島が多いので要チェックです!
今回は、八重山諸島について、掘り下げてご紹介いたします。
きっと行ってみたくなる島ばかりですよ。
八重山諸島について
八重山諸島は12の有人島と尖閣諸島などの無人島からなる日本最南西端の島々です。
八重山諸島の中でも最も沖縄寄りにある石垣島でさえ沖縄本島から400 km 以上離れているため、独特の文化や自然環境を有しています。
住所表記で見ると、沖縄県石垣市、八重山郡竹富町そして与那国町の1市2町から成り立っています。
人が住んでいる島では、石垣島が石垣市、与那国島が与那国町にそれぞれ属しており、西表島を含む他の10島はすべて竹富町です。
人口でみると、西表島(約2,500人)のほうが与那国島(約1,700人)より多いのですが、西表島は周辺の小さな島々とひとくくりにされているのが面白いですよね。
面積が100キロ平方メートル以上の島は西表島と石垣島の2島だけで、この2島が八重山諸島の観光の中心となっています。
それ以外の島々は、サンゴが隆起してできた島であり、高い山がありません。
自転車で島を一周できるほどのとても小さな島が多いです。
最近では西表島と石垣島以外の小さな島も知名度が高まり、観光の人気が高まっています。
八重山諸島は、亜熱帯気候に属しています。
石垣島の気温でみると、平均値は約24度、湿度は77.0%と、沖縄本島以上に暖かい気候です。
八重山諸島は、周囲を流れる黒潮の影響により、一年中温暖な地域です。
年間平均降水量は、石垣島で1300.5ミリと多く、特に梅雨と台風そして夏の時期のスコールに集中しているのです。
石垣島にある沖縄県最高峰の於茂登岳、西表島には古見岳など標高500mほどの山があり、これらの島では河川も発達しています。
そのため、山は照葉樹林が多く、オキナワウラジロガシなどの木に覆われています。
また、カンムリワシやサキシマハブ、イシガキケブト、ハナカミキリなど、貴重な生き物が生息する自然も多く残されているのも特色のひとつです。
イリオモテヤマネコはご存じの方も多いのではないでしょうか。
また海沿いにはマングローブの林が多く広がっており、マヤブシキのような固有種もあります。
八重山ならではのゆったりとした島時間や、南国らしい美しい風景は、ここを訪れないと感じることができないでしょう。
八重山諸島の離島
①石垣島
石垣島は沖縄県の中では、沖縄本島、西表島に次いで3番目に大きな島です。
面積は220キロ平方メートルですので、ちょうど琵琶湖の1/3ぐらいの大きさになります。
人口は5万人ほどになります。
沖縄本島に最も近く、八重山諸島の玄関口として、八重山諸島全体の経済、行政、観光の中核を担う島です。
石垣島には、沖縄から飛行機で乗り継ぐ方法が一般的ですが、最近では東京から直行便も出ていますね。
沖縄本島からでも飛行機で1時間ぐらいかかります。
石垣島は、亜熱帯地方特有の豊かな自然と都市としての機能が共存する町です。
隣接する西表島は、共通する貴重な種が多数生息しています。
沖縄県最高峰の於茂登岳から流れる宮良川河口のマングローブは、国内最大のマングローブ林です。
また、島の西部に流れる名蔵川河口にできる名蔵アンパルは、ラムサール条約に登録されており、世界的に有名な湿地帯です。
沿岸部には南北約2kmに渡り砂州ができており、潟湖となっています。
北部米原にあるヤエヤマヤシ群落は国指定の天然記念物です。
海岸ではサンゴ礁が広がっており、南西側の石西礁湖には、青珊瑚や浜サンゴの大群落があります。
また、北西部の川平湾も流れが早いことから、多様なサンゴがみられます。
川平湾はミシュランガイドにも掲載された観光地ですね。
石垣島には有名なダイビングスポットも多く、 スクーバダイビング専門誌の読者投票で20年連続で1位に選ばれるほどの島です。
世界有数のナンヨウマンタにも会える島です。
②西表島
西表島は、沖縄本島に次いで2番目に大きな島です。
石垣島より大きく約290キロ平方メートルほどあります。
人口は2400人ほどです。
石垣島からは高速船やフェリーで40分ほどです。
島が大きいだけに、石垣島からの航路も2つあります。
かつてはマラリア発生の島だったため定住できず、開発が遅れてきた経緯があります。
開発が遅れたため、結果として豊かな自然が残っており、今ではそれが島の財産です。
マラリアは1961年に撲滅されていますので、現在はもちろん、安心して旅行に行けます。
西表島は、島のほとんどが熱帯・亜熱帯の原生林で覆われています。
広大なジャングルには、特別天然記念物のカンムリワシ、イリオモテヤマネコ、天然記念物のセマルハコガメ、サキシマハブやキシノウエトカゲなど珍しい生き物たちが生息しています。
また、県内最長の浦内川や仲間川をはじめとした多くの川の河口は、 日本産マングローブ7種がすべて分布する貴重な環境です。
西表島は、カヤッキング、シュノーケリング、スキューバダイビングなどのアウトドアアクティビティが盛んな島です。
ジャングルや滝、川やマングローブ林など、この島特有な自然環境を利用した、エコツーリズムにぴったりなアクティブスポットになっています。
③竹富島
竹富島は人口が360人程度であり、石垣島から船で約10分ほどの沖合いに浮かぶ周囲約9kmの小島です。
竹富島は、石垣島から高速船で10分程度で行くことができます。
石垣島から最も近い離島、ということもあり、船の便数も多いです。
日本最大のサンゴ礁である石西礁湖エリアに位置しており、島全体がサンゴ礁に囲まれています。
このエリアは西表石垣国立公園に指定され、国の重要伝統保存地区です。
海水浴やダイビングなどの観光客に人気が高く、星砂で有名なカイジ浜やコンドイ浜、北西部のタキドゥングチ、南西部のシモビシ、南部の竹富島南沖礁には多くの人が集まります。
この島には「竹富島憲章」があります。
これは島の伝統文化を守るための取り決めです。
これに従い、建物の増改築は伝統様式を守ることとなっており、屋敷の囲いは珊瑚石灰岩だけで作るなどなど、竹富島らしさを残す工夫をしています。
また、赤瓦屋根の民家に様々な表情のシーサー達を見かけることができる街並みも、訪れる観光客を癒してくれる大切な観光資源です。
竹富島は「民芸の島」とも呼ばれており、芭蕉布の原料となるバショウや麻布の原料である苧麻もあります。
八重山ミンサー発祥の地でもあります。
④小浜島
小浜島は八重山諸島のほぼ中央部に位置する約8平方キロメートル、人口700人ほどの人口の島です。
小浜島に行くには、石垣島から高速船やカーフェリーで30分程度かかります。
2001年に放映されたNHKドラマ「ちゅらさん」の舞台として知られた島です。
以前より、国の史跡となっている遠見番の太岳や竹富町指定史跡などがありましたが、「ちゅらさん」放映後は、その撮影スポットが人気となっています。
とくに、通学路のシーンに使われたシュガーロードのサトウキビ畑と牧場が広がるなだらかな丘陵には有名です。
もちろん、太岳の頂上からの360度大パノラマも壮大であり、石長田海岸の小浜島の海岸やトゥマールビーチ、エメラルドグリーンの海と八重山の美しい島々を見渡すことができます。
ホテルやゴルフ場もあり、リゾートホテルもある島です。
⑤黒島
黒島は人口約200人、面積10平米メートル程度の島です。
黒島は、石垣島から高速船やカーフェリーで30分前後の距離です。
ハート型の島の形から「ハートアイランド」とも呼ばれています。
また、「牛島」とも呼ばれています。
かつてこの島には森林が広がっていましたが、戦後になって開墾事業が進められ、集落以外のほとんどの場所が開墾されました。
その結果、人口約200人に対して牛の数はその10倍以上となり、牛島と呼ばれるようになりました。
また、この牛のおかげで、のどかな牧場の風景が島中に広がる、放牧の島です。
黒島で1年ほど育てられた子牛の多くは、全国のブランド牛の産地に送られ肥育されることで、石垣牛をはじめとするブランド牛として出荷されているのです。
自然も豊かで、オオシママドボタルやサキシマハブ、ヤエヤマオオコウモリが生息しており、天然記念物としては、オカヤドカリが生息しています。
また、空気が澄んでいる島としても有名であり、また日本の南端に位置することから、南十字星だけでなく、カノープス、ケンタウルス座α星などの星を、国内では比較的観望しやすいスポットです。
そして、ウミガメが産卵に訪れる黒島の海には、八重山屈指の美しいサンゴ礁が広がっていることから、シュノーケリングで人気のポイントとなっています。
⑥鳩間島
鳩間島は人口約50人、面積1平方キロメートルにも満たない島です。
1平方キロメートルとは、大阪城の敷地ぐらいの大きさです。
東京で言えば、皇居が1.4平方キロメートルですので、それよりはやや狭い大きさになります。
西表島の北方5kmの海に浮かんでおり、西表島や石垣島から高速船で行くことができます。
ドラマ「瑠璃の島」のロケ地としても有名な、美しい小島です。
このドラマは、1980年代初めに、島唯一の小学校にもかかわらず児童が1人だけとなってしまい、廃校の危機になった本当のお話が題材になっています。
その時に、島の住人の親類や全国各地からの里子を引き取るなどして小学校を守ったというエピソードを森口豁さんがまとめ、『子乞い – 沖縄孤島の歳月』という本として出版されました。
これを原作として、尾瀬あきらさんがマンガ『光の島』を書いたり、日本テレビでドラマ『瑠璃の島』が制作したことにより、全国的に知名度が上がりました。
また、ドラマの主題歌となった『ここにしか咲かない花』は、男性デュオのコブクロが実際にこの島を訪れて作ったものです。
『瑠璃の島』が放映されたこともあり、2006年に高速船が就航し、鳩間島を訪れる観光客が急増しました。
それにともない宿泊施設や食堂がオープンするなど観光地として大いに賑わった時期です。
島には独特のゆったりとした時間が流れており、静かで穏やかな癒しのひと時を与えてくれます。
また、この島で生まれた鳩間節は沖縄を代表する民謡となっています。
⑦波照間島
波照間島は人口500人ほど、面積12平方キロメートル程度の島です。
12平方キロメートルといえば、大阪で言えば門真市や守口市程度、東京都でいえば千代田区くらいの面積です。
波照間島は、石垣島から高速船で1時間程度かかります。
この島は、「果てのウルマ(珊瑚礁)の島」を語源としており、日本最南端の人が住む島であるとともに、民間人が日常的に訪問できる日本最南端の地でもあります。
独特の青い輝きを放つ波照間の海の色は“ハテルマブルー”とも称され、中でも北浜(ニシハマ)ビーチは八重山有数の美しさで有名です。
北浜と書いてニシハマと読むなんて、面白いですね。
昼間のハテルマブルーはもちろん、夕日が沈む直前に一瞬だけ緑色に光ることがあるグリーンフラッシュも、見れる機会が少ない現象として話題になります。
緯度が低いので、南十字星を絶好の条件で観測できる数少ない島です。
また、周囲に人工的な灯りがほとんどないため、街中では見えにくい星を肉眼で観測できます。
高那崎からすぐの南海岸には星空観測タワーが立っており人気の観光スポットとなっています。
⑧新城島
上地、下地の2つの島からなる新城島。
島の名前は「あらぐすくしま」と読みます。
新城島には定期船航路がない、近くて遠い南の島です。
また、個人で島に入ることは禁じられていますので、石垣島からシュノーケリングなどのツアーで行くしか方法はありません。
2つの島はともに2平方キロメートルに満たない小さな島です。
上地島は、大部分を森で覆われている細長く延びた島で、下地島は、半円形の島です。
両島の間は約400mありますが、リーフで繋がっています。
大潮の干潮時には歩いて渡ることができます。
携帯電話は、au、ソフトバンクの圏内ですが、海岸沿い以外では携帯電話は通じませんので一人で出歩かないようにしましょう。
かつては人魚のモデルとなったジュゴンが生息していた新城島の海域は、その澄んだ美しい海が魅力的です。北の浜のビーチはとくに美しく、訪れる価値のある島です。
⑨由布島
由布島は、西表島から500メートルほどしか離れていない、0.15平方キロメートルの小さな島です。
西表島との間の海は、通常は1メートル程度の深さしかありません。
そのため、観光用の移動手段としての水牛車が利用され、島の観光シンボルとなっています。
干潮時など、水位が低く波が静かな時などには、徒歩や自動車ででも渡ることが可能です。
西表島から目と鼻の先にある由布島は、海流によって堆積した砂だけでできている小島です。
島全体が「亜熱帯植物楽園」になっています。
植物園内には、食堂もあります。
西表島からのんびり牛車に乗り由布島に渡り、マングローブやブーゲンビリアがいっぱいの植物園を散策しながら過ごす、ゆったりとした時間は、きっと日頃のストレスを吹き飛ばしてくれるでしょう。
与那国島
与那国島は日本の最西端の国境の島です。
東京からはじつに、2,000キロメートル離れています。
東京から北京までと、あまり変わらない距離です。
与那国島に行くには、那覇空港や新石垣空港から航空路があります。
那覇空港からなら1時間半、新石垣空港からなら40分ほどで到着します。
また、石垣島から船で行くこともできますが、片道4時間半です。
台湾まではわずか111kmで、海のむこうに台湾の島影が見えることがあります。
島には陸上自衛隊の沿岸警視隊が配備されていて、人口の15%ぐらいが自衛隊とその家族の島です。
ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地にもなった有名な島です。
ロケ地のセット志木那島診療所は、今でも見学することができます。
与那国島は、ダイビングスポットがたくさんあります。
人工物では?とも言われており「海底遺跡」の名で知られる与那国島海底地形や、とくに冬場に見られるシュモクザメは人気が高いです。
シュモクザメは、ハンマーヘッドシャークとも呼ばれており、何百頭と群れて泳いでいるところに遭遇することもあります。
また、巨大魚のジンベイザメやナポレオンフィッシュに出会うこともあります。
与那国島では、ここだけでしか生産されていない花酒というお酒があります。
花酒は、泡盛と同じ製造過程なのですが、最初に抽出されるアルコール度数60度という非常に強く純度の高い蒸留酒です。
花酒という名前の由来は、昔グラスにできた泡の盛り具合で泡盛の度数を測っていたことがあり、一番度数が高い泡盛はまるで花が咲いたかのような盛り具合だったことです。
町内にある3つの酒造所で生産されており、いずれもビロウの葉で巻かれている独特の瓶に詰めて販売されていますので、お土産にしても良いですね!
さいごに
八重山諸島の離島についてご紹介いたしました。
いかがだったでしょうか。
八重山諸島は国内最南端にあり、南国の雰囲気いっぱいの島々です。
島ごとにさまざまな特徴があります。
石垣島は訪れたことがあっても、たとえば波照間島は行ってないという方もいらっしゃったのではないでしょうか。
八重山諸島を訪れた際には、石垣島や西表島はもちろん、周辺の島々にも足を運んでいただければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。